介護保険を利用して杖や歩行器をレンタルできることをご存じですか?
介護保険で要介護認定(要支援1以上)を受けている方は、「福祉用具貸与サービス」として歩行補助具をレンタルすることができます。
杖や歩行器の価格は数千円~数万円と、物によっては高額になりますが、レンタルであればほとんどの商品を月々数百円で利用することが可能です。
この記事では、介護保険でレンタルできる杖や歩行器の種類と、レンタルすることのメリット・デメリットについてお伝えします。
要介護認定を受けておられて、現在歩行補助具購入を検討されている方は、実際に購入される前に、ぜひ参考にしてみてください!
レンタル可能な杖の種類は?
- 多点杖
- サイドウォーカー
- ロフストランドクラッチ、カナディアンクラッチ
- 松葉杖
介護保険でレンタル可能な杖は以上のような種類があります。
T字杖は対象外ということに要注意!
それぞれの杖によって特徴があり、最適な杖選びは重要です。
杖の選び方や、高さの調整方法についてはこちらをご参照ください。(参考:杖の選び方、杖の高さ調整方法)
歩行器はレンタルできる?
介護保険で歩行器のレンタルも可能です。
歩行を補う機能と、移動時に体重を支える構造を持つ固定型歩行器や四輪歩行車などがその対象となっています。
シルバーカーは対象外ということに注意しましょう!
レンタルする方がお得なの?
レンタルのメリット
- 月々にかかる費用を安く抑えることができる(レンタル費用の1~3割が自己負担)
- 使用してみて自分に合わなければ交換することが出来る
- 修理やメンテナンスなどのランニングコストを抑えられる
レンタルのデメリット
- 長く使用する場合は、結果的に購入した方が安く済む場合がある
病院で仕事をしていると、利用者さんからこんな声をよく聞きます。
使うと思って歩行器を買ってみたんだけど、全然使わなくて倉庫においてあるよ。
少しの間しか使わないなら買わなくてよかったかも。
うちにも、使わなくなった杖があるわ。
購入してしまうと、自分に合わなくても返品することは難しいですため、私個人的としては歩行補助具をレンタルをするメリットは大きいと考えています。
ケガなどで一時的な使用をお考えの方は、レンタルが最適でしょうし、必要となる歩行補助具が月日の経過とともに変化しそうな方もレンタルの方がいいと思います。
長期的に使用をお考えの方も、一度レンタルで気になる歩行補助具を試してみてから購入を検討するのも一つの方法かもしれません。
実際にレンタルするためにはどうする?
介護保険を利用して歩行補助具のレンタルを希望される方は、まず地域の包括支援センターや担当の居宅介護支援事業者(ケアマネージャー)に相談をします。その後担当者がケアプランを作成し、歩行補助具をレンタルする事業者を決定します。
事業者が決定したら自宅に訪問してもらい、利用される方の身体状況や生活環境、使用される場面などに合わせて、福祉用具専門相談員を中心にどの歩行補助具の使用が最適かを話し合います。福祉用具カタログには非常に多くの歩行補助具が掲載されていますので、この選択が重要です。すでに使用したい候補が決まっていれば、実際のデモ機で試してみることができる事業者もあります。
レンタルする商品が決定したら、利用者と福祉用具貸与事業者が契約を結びレンタルサービスが開始となります。レンタルする商品の変更やメンテナンス、アフターサービスに関しても、同事業者が担当します。
福祉用具のレンタルにかかる費用の1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)を利用者が負担します。
(参考:厚生労働省 福祉用具貸与・販売の流れ)
車いすはレンタルできる?
最後に、歩行補助具ではないですが、移動手段として利用される「車いす」についても触れておきます。
車いすも介護保険の福祉用具貸与の対象になっていますが、どなたでもレンタル出来るわけではないことに注意が必要です。
車いすのレンタルは原則要介護2以上の方が対象!
要介護2以上の方が対象となっている理由としては、要支援や要介護1の方は一般的に歩行可能な方が多いためだと思われます。
杖や歩行器に多くの種類があったように、車いすにも様々なタイプのものがあります。
代表的なものとして、自走用車いす、介助用車いす、リクライニング車いす、電動車いすなどがありますが、いずれも貸与の対象です。
利用される方の身体機能や、車いすを実際に利用される環境に合わせて車いすの種類とサイズを選択します。
まとめ
- 介護保険で福祉用具貸与の対象となっている歩行補助具についてお伝えしました。
- 歩行補助具は「実際に使用してみたら自分には合わない」ということが多くあります。
- 一度試してみる意味でも、歩行補助具のレンタルは非常におススメです。
- 介護保険には、知っておくと便利なことがたくさんありますので、情報収集は大切です。
- 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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