【心不全とは】原因や症状、検査・治療について分かりやすく解説

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ぴんころ
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こんにちは、心臓リハビリテーション指導士のぴんころです。

今回は、「心不全」について解説します。

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心不全とは

まず、心不全とは以下のように定義されています。(日本循環器学会・日本心不全学会の定義;2017年) 

心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気

心不全はひとつの病気ではなく、心臓のさまざまな病気(心筋梗塞、弁膜症、心筋症など)や高血圧などにより心臓に負担がかかった状態が続き、最終的に至る“症候群”のことを指しています。

厚生労働省によると、令和3年の死亡数を死因順位別にみると、心疾患は癌に次いで死亡原因の第2位(14.9%)となっています。

令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況

メディアで報道される有名人の死因にも「心不全」という言葉をよく耳にすると思います。

ぴんころ
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このように、心不全とは非常に身近な病気なのです。

心不全の原因

心不全に至る代表的な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 高血圧
  • 心筋症:心臓の筋肉自体の病気
  • 心筋梗塞:心臓を養っている血管の病気
  • 弁膜症:心臓の中にある弁が狭くなったり、閉まりにくくなったりする病気
  • 不整脈:脈が乱れる病気
  • 先天性心疾患:生まれつきの心臓の病気

心臓は、このような様々な原因で正常な機能(血液を全身に送り出すポンプ機能)を発揮できなくなることで、心不全に至ります。

心不全に至るという点では共通していますが、それぞれの病気には、それぞれ適した治療法があります。

心不全の症状 

以下に挙げるのは、心不全の初期によく見られる症状です。

  • 運動時の息切れ
  • 疲れやすさ
  • 足のむくみ
  • 体重の急激な増加

心不全になると、これまでは平気だった階段昇降や早歩きなどで強い息切れを生じるようになったり、疲れが残りやすくなったりします。

また、両足の甲やすねが腫れる、心当たりがないのに1週間のうちに2~3㎏体重が増えるのも特徴的です。普段より靴下やベルトの後が残りやすい時は要注意です。

これらの症状は心不全以外の病気でも起こりうる症状のため、特に初めて心不全になった方は見逃されやすい傾向にあります。

軽い息切れ程度だった症状も、心不全症状が悪化すれば最終的には横になるのもしんどい程の息切れを起こして、救急車で運ばれてくる方もおられます。

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どんな病気も早期に発見して、適切の治療を行うことがその後の体調や寿命に大きく影響します!

まずは、「心不全になったらこんな症状が起こるんだな」ということから知っていただけたらと思います。

心不全の診断・検査

心不全を疑う症状がある場合に行われる検査には、以下のようなものがあります。

  • 血液検査
  • 胸部レントゲン検査
  • 心電図
  • 心エコー検査

血液検査

心不全になり、心臓に負担がかかると血中のBNP(脳性ナトリウム利尿ぺプチド)というホルモンの値が高くなります。血液検査により全身状態を確認し、その他の疾患との鑑別を行います。

胸部レントゲン検査

心不全の状態で確認されやすい胸部レントゲン像には、心拡大(心臓が大きくなること)、胸水の貯留(胸膜腔という場所に体液が貯留すること)などがあります。

心電図

心電図検査では、不整脈の有無を確認します。心筋梗塞狭心症で特徴的な心電図を示す場合があり、これらの鑑別にも用いられます。

心エコー検査

心臓の部分に体の表面から超音波を当てて行う「心エコー検査」では、心臓の形態(心臓の大きさや壁の厚みなど)や動き具合弁の状態など様々なことが分かります。心臓の動き自体が悪くなっているのか、心臓の4つの部屋の間にある弁に問題があるのかなど、心不全を引き起こした原因となる疾患の予測にとても役に立つ検査です。 

その他

その他の検査として、心臓カテーテル検査心臓MRI検査心血流シンチグラフィーなどがあります。まずは、簡便に行えて体に負担の少ない上記のような検査が優先的に行われ、そこから必要に応じて種々の検査が検討されます。

心不全の治療

急性心不全の治療 

急性心不全とは、急激な心臓の機能低下により息切れなど症状が出現・増悪した状態をいいます。下記の慢性心不全の方の状態が急に悪くなり、心不全増悪をきたした場合も急性心不全のひとつに分類されます。

急性心不全では緊急に入院を要する状態がほとんどで、迅速な治療が必要となります。症状を緩和させるための酸素投与利尿薬(尿を出しやすくする薬)の投与、血管拡張薬(血管を広げる薬)の投与などが行われます。例えば、心筋梗塞のように急性心不全になった原因が明らかな場合は、その疾患の治療が直ちに行われます。

慢性心不全の治療

慢性心不全は心臓に何らかの機能低下があるものの、状態や症状が安定している状態をいいます。

この時期の治療は、病状に合わせた薬の内服が中心となります。また、薬を飲むだけではなく、食生活や運動習慣に気を付けること、過労やストレスを溜めないことも慢性心不全の治療(増悪の予防)には大変重要です。

血圧や体重を自分で測る習慣をつくるなど、自分の健康は自分で守る「セルフコントロール」の意識づけも、心不全の再発予防には大切です。

ぴんころ
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安定した状態が長く続くように、生活に気をつけることがとても大切なんです!

心不全の予後

冒頭で心不全は「だんだん悪くなり、生命を縮める病気」といいましたが、それは心不全の経過を見ればよく分かります。

がんと心不全の経過の違い:日本心臓財団HPより引用

図は、がんと慢性心不全の経過の違いを表したものです。

がんは死に近づくときに急激に体調やADL(日常生活動作)が低下するのに対して、心不全では急な悪化と回復を繰り返しながら、右肩下がりで徐々に状態が悪くなっていきます

急な悪化のあと回復する場合もありますが、突然死してしまう場合もあります。そのため、心不全の予後を良くするために大切なことは「急な悪化を防ぐこと」です。急な悪化を防ぐことで突然死のリスクを減らすことができ、右肩下がりになりそうだった直線を極力緩やかにして、寿命を延ばすことにつながります。

心不全に関してのオススメ資料

心不全について分かりやすく解説されているものをご紹介します。

循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業「地域におけるかかりつけ医等を中心とした心不全の診療提供体制構築のための研究」班が作成された資料と動画が、以下のページから無料で配信されています。→【心不全教育スライドダウンロード】。

ぴんころ
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イラストで非常に分かりやすい内容になっているため、ぜひ参考にみてください!

心不全についてのまとめ

  • 心不全とは何か、症状や原因・治療についてまとめました。
  • 心不全は悪化と回復を繰り返し、生命を縮めてしまう病気です。その症状や原因、発症そのものの予防や再発予防に関しての知識をもつことで心不全になることを防げます。
  • 心不全についての正しい知識をもつことや、発症したとしても早期に対処することが非常に重要です。
  • この記事の1つでも参考になることがあれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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