こんにちは、ぴんころです。私は身長151㎝の理学療法士として、日々患者さんの立ち上がり介助をしています。これまで色々な方法を試してきて、その経験で得たコツを紹介します。私と同じように体が小さくて、介助のコツを知りたい方に読んでいただきたい記事です。
それでは、早速見ていきましょう!
一般的な立ち上がり動作とは
立ち上がりを介助する前に、まず立ち上がり動作がどういうものかを知っておく必要があります。
立ち上がりは図に示した通り、①椅子に浅めに腰かけ、両脚を手前に引く、②お辞儀をするように上半身を前方にたおしてお尻を浮かせる、③そこから上体を起こし、膝を伸ばして立ち上がるという手順で行われています。
普段は意識しませんが、ほとんどの方がこのように立ち上がっていると思います。立ち上がり方について詳しく以下のリンクに記載していますので、よろしければご覧ください。【理学療法士が教える】楽な立ち上がり方
立ち上がり介助のコツ
コツ その1:動作の軌道をじゃましない
上記の一般的な動作をふまえて、立ち上がりを楽に介助するのにまず必要なのは「動作の軌道をじゃましない!」ということです。
図の悪い例は、介助者が対象者を上に持ち上げて立たせようとしています。これはNGです!ほぼ全体重を介助者が持ち上げることになり、とても大変です。自分より大きい人をこの方法で持ち上げることはほぼ不可能で、必ず腰を痛めます。
良い例では、対象者が上半身を前にたおすのに合わせて、腰を低くして受け止めています。対象者が前方へ向かう推進力を壁のように受け止めて、その力を今度は上体を起こす力に変換してあげることが出来れば、介助は格段に楽になります!対象者の動力を介助にうまく利用するというわけです。
介助者の体格が大きい場合は、上から抱え込むようにして介助する場合が多いですが、介助者が対象者の体格よりも小さい場合は、対象者の下からもぐり込むようにした方が楽に介助できます。
立ち上がりの時の重心の軌道は、図の赤いラインようになります。まっすぐ上に上がるわけではなく、前上方に上がります。
この軌道に沿って立ち上がってもらうイメージで、介助を行うといいと思います。
コツ その2 膝をロックして、崩れるのを防ぐ
次に、立ち上がり介助の時の失敗で多いのが、対象者の足の力が弱く、膝が伸びないまま下に崩れてしまうケースです。
これを防ぐ対処方法としては、介助者は図のように体勢を低くして、対象者と膝同士をくっつくけるようにします。
上半身を手で支えているだけでは、急に相手の膝がガクッと崩れた時はなかなか対処できないため、膝で下からも支えるようにすると安全です。
膝をくっつけることの、もう一つの利点として、介助のときに図の赤矢印のような3つの力が加わることです。
腰を前に引く力だけよりも、上下に相反する力が加わる方が、より少ない力で立ち上がり介助をすることができます。
介助者の体格が小さい場合は、このように重心を低くして膝をロックすることで膝折れを防ぐ方法がおすすめです。
まとめ
- 立ち上がりを介助する時のコツをお伝えしました。
- 若くてパワーのある方は、力で持ち上げることが出来るかもしれませんが、コツをつかむともっと楽に介助することができ、介助者の腰痛予防にもなります。
- また、介助される対象者の方にとっても、通常に近い立ち上がり動作方法で介助されることで、動作のイメージがつかめて練習になります。
- 介助者・対象者ともに楽で、動作練習にもなる介助方法を試してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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