こんにちは、ぴんころです。
私は身長151cmの理学療法士です。力はそれほど強い方ではなく、年齢は30代半ばです。自分の体が小さいので、大きな患者さんの介助をするのにとても苦労してきました。
この記事では体が小さい介助者が、ベッドに寝ている人の位置を変えるコツがわかります。
私と同じように、体格が小さい医療職・介護職の方や、ご家族を介助する必要がある方に読んでいただきたい内容です。
寝ている方の横方向に動かす方法
まずは、ベッド上で横方向に体の位置を動かす方法を説明します。
①上図のように、対象者の真横に立ち、膝を曲げてベッドの淵につけます。
②対象者の肩と腰のあたりの下に手を入れます。
③膝をベッドに押し当ててしゃがむと同時に、両手で手前に引っぱって横移動します。
- 腰を低くする(重心を低く)
- 対象者になるべく近寄って介助する
- 手の力ばかり使わず、膝を軸にして体全体の力を利用する
寝ている方の縦方向(枕側)に動かす方法
つぎに、ベッド上で体が足元の方下がってしまった場合に、枕側に移動する方法です。
まず、介助する対象者の動きを確認します。
上図のように両膝を曲げて、お尻が上に持ち上がるかどうか確認してください。
少しでも持ち上げることが出来れば、介助者の負担はかなり減るので最初に確認しておきます。
パターン1:横に立って介助する方法
①横移動の時と同様の姿勢で対象者の横に立ちます。
②対象者の肩と腰のあたりに手を入れます。
③重心を下に落とし、骨盤から上全体を回すイメージで枕側へ力を入れます。対象者がお尻を持ち上げらる場合は、息を合わせてお尻が持ち上がると同時に枕側へ引き上げるようにしましょう。
- 腕の力だけで移動させようとすると、腰をひねってしまい腰痛の原因になるので注意しましょう。
- 骨盤から上をひと塊のようにして、体全体の力を利用することで負担が軽減します。
- 対象者が少しでも動ける場合には協力して行いましょう。
パターン2:頭側から介助する方法
対象者が全く動けない場合や、体格差が大きい場合は、下図のように頭側から上に引き上げるように介助する方法もあります。
頭側にスペースがない場合は出来ない方法ですが、可動式のベッドがある環境などでは有効な方法です。
基本的にパターン1のように横方向に入れる力よりは手前に引く力の方が強いので、こちらの方法の方が楽な場合があります。
①対象者の頭側に立ち、両膝を曲げてベッドの淵につけます。
②対象者の両方の脇の下あたりに手を入れ、抱え込むようにします。ベッドの高さが下げられる場合は、下げるとやりやすくなる場合があります。
③ 膝をベッドに押し当ててしゃがむと同時に、両手で手前に引っぱって枕側へ移動します。
- この方法でも重心はなるべく低くして、体全体の力を使うように意識しましょう。
- 対象者の脇の下に手を入れた時点で、自分の体勢がきついなと思う場合は無理をしないようにしましょう。
まとめ
- ベッド上での横移動、縦移動の介助方法についてお伝えしました。
- 無理な介助方法を続けていると、必ず腰痛や手首の腱鞘炎などを引き起こします。一人で介助しなければならない場面では、今回のコツをぜひ利用してみてください。
- また、他に頼れる人がいる時には一人で無理をせず、手伝ってもらって介助しましょう。
- 「介助される人」と「介助する人」両方にとって安楽な介助方法が理想です。
- 最後までお読みいただきありがとうございました。
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