あなたは、自分の爪で健康状態を確認したことがありますか?
健康な人の爪は『薄いピンク色で、ツヤがある』のが特徴です。
爪は大人でおよそ「1日に0.1mm、10日で1mm程度」伸びると言われています。
そのため、爪は常に新しく更新されており、その時々の健康状態を確認するのに最適です。
体調不良や栄養が足りない時など変調が起こると、爪の色や形に変化が起きることがあります。
爪のチェック手順
爪で健康チェックをするにあたり、確認するポイントは「爪の色」「爪にスジがないか」「爪の形」です。
以下で1STEPずつ解説していきますね。
そして爪に何らかの変化があった場合、それが一部の変化なのか、全体の変化なのかが重要なポイントです。
爪の変化が1本~数本の場合:局所の要因を疑う
爪の変化が手足の全体にある場合:全身性の要因を疑う
一部の爪に変化が起きている場合は、外傷(はさむ、ぶつけるなど)や感染(細菌・真菌など)が疑われます。
一方、爪全体に変化がある場合は、血液疾患、循環障害、各臓器の障害や栄養障害などが疑われますので、より注意が必要です。
STEP1:爪の色をチェック
【白色】「鉄欠乏症貧血」や「低色素性貧血」の疑い
【白濁】「肝硬変」や 「糖尿病」、「慢性腎不全」などの疑い
【緑色】「緑膿菌」などの細菌に感染した疑い
【黄色】「爪水虫」や「爪カンジダ感染症」の疑い。「リンパ系の病気」や「栄養障害」の可能性も。
【赤色】「多血症(赤血球が増加することで起こる病気)」の疑い
【青紫色】チアノーゼ、血行障害の疑い(心臓・肺疾患や膠原病などが原因となる)
【黒、褐色】外傷による内出血、「悪性黒色腫」や「メラニン色素の増加」、「薬剤性変化」の疑い
STEP2:爪にスジがないかチェック
横向きにスジがある場合
横スジが出来る原因は、主に「栄養障害」や「ストレス」です。
爪に栄養が行きわたらず、爪の成長が上手くいかなかった時に起こります。
日常的な栄養障害や、下痢などの一時的な栄養障害でも現れることがあります。
また、長引く体調不良や高熱、手術などで体に大きな負担がかかった時にも起こりますので、心当たりをチェックしてみて下さい。
ただし、スジはすぐに現れるわけではなく、原因があった時から爪が伸びてきて数週間後に気づくケースが多いです。
一般に爪の生え変わりは、手は 3~6カ月、足は 6~9カ月程度かかるといわれています。
縦向きにスジがある場合
縦スジが出来る原因は、「加齢」「乾燥」「過労」「栄養不足」などです。
白い縦スジの場合は病気の可能性は低く、栄養管理や保湿・疲労の回復などで改善する場合が多いです。
ただし、黒っぽい縦スジで、さらにこれが広がる場合は病気の可能性もあるので注意してください。
爪が凸凹の場合
爪の表面が凸凹になってしまう原因としては、「爪水虫」などが考えられます
STEP3:爪の形をチェック
ばち状爪(ばち状指)
全ての指先が太鼓のばちのように丸く膨らんで、指先と爪が丸くなる症状が現れます(上図参照)。
ばち状指の方は肺気腫、肺がんなどの肺疾患、心臓の病気の可能性があります。
スプーン爪
これは若い女性によく見られる状態ですが、爪がスプーンのようにへこみ、先が反り返っている状態をいいます。
指先の腹側に継続的な力が加わり、爪を支えきれなくなることで起こる症状です。
爪の両端の部分を切りすぎることで、支えが弱くなることがあります。
また、鉄欠乏性貧血の方は爪が弱くなるため、スプーン爪になりやすいと言われています。
巻き爪
巻き爪は、爪が湾曲し先端や側面が皮膚に食い込んで傷つけてしまう状態です。
ほとんどの巻き爪は足の親指に起こり、痛みや炎症を伴うこともあります。
原因として考えられるのは、「①靴が足に合っていない」、「②爪を切りすぎている」、「③足先に力を入れずに歩いている」などです
今すぐできる爪のケア
爪の異常は、全身性の疾患で起こっている場合もありますが、多くの場合ケアすることで状態は改善します。
では、どのようなケアをすればいいでしょうか?
爪を丈夫にするために必要な栄養素を摂取
爪の主成分は「ケラチン」というタンパク質のため、まず「タンパク質」の摂取は必要です。
また、タンパク質の吸収を高めるために「ビタミンA」の摂取や、新陳代謝を活発にする「ビタミンB2」の摂取も重要です。
その他「カルシウム」「亜鉛」などの摂取も意識して、バランスの良い食事を摂取しましょう。
自分でできるネイルケア
ツヤのあるきれいな爪を保つためには、ネイルオイルやハンドクリームによる「保湿」が重要です。
マニキュアの下地に使われる「ベースコート」を塗って乾燥や紫外線から爪を守ることもオススメです。
また、こまめな水分摂取も心がけ、体の中も乾燥しないようにしましょう。
丈夫でキレイな爪を手に入れるには「バランスの良い食事」と「保湿」が重要なんですね!
おまけ:爪半月について
「爪半月」とは、爪の根本の白くなった部分をいいます。
『爪半月が見えないと不健康』と言われることがありますが、それは間違いです。
爪半月がどのくらい見えるかは生まれつき決まっており、健康には左右されないといわれています。
爪の健康についてのまとめ
- 爪の状態でわかる、健康状態のチェック方法についてお伝えしました。
- この記事の状態がすべて当てはまるわけではありませんが、ご自身の健康チェックの一つとして日々確認してみてはいかがでしょうか?
- 手足の爪全体が、普段と違う状態になったときには、何か病気が隠れているかもしれませんので、ぜひチェックしてみて下さい。
- この記事の内容が、一つでも参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献 ・爪の色の変化と疾患:現代医学 69(2): 96-99, 2022 ・爪の変化:YORi-SOUがんナーシング 11(1): 34-40, 2021
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