【疑問を解決!】体が小さくても、理学療法士になれるの?

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こんにちは、ぴんころです。

私は身長151cmの小柄な女性の理学療法士です。この記事では以下のような疑問にお答えします。

Aさん
Aさん

理学療法士の仕事で、身長が低くて困ることはありませんか

Bさん
Bさん

他のリハビリ職と比べて、身長や体格は重要ですか?

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理学療法士の仕事と身長

 まず、結論からいうと、体が小さかったり、身長が低くても理学療法士の仕事は可能です。ただし、仕事をする中で小さいから大変な場面があるのは事実です。そのため、動作の方法を工夫したり、自分なりの方法を習得していく必要があります。そして時には他のスタッフに頼ることも大切です。

体が小さいと大変な事は?

「自分より大きな人の動作を介助する確率が高い」ことです。

 患者さんは男性・女性、体が大きい方・小さい方と様々なので、自分の体が小さいと必然的に自分より大きい方を担当する確率は高くなってしまいます。

 理学療法士は基本的に患者さんと1対1で接するので、1人で介助する場面が多いです。動ける方の場合はあまり問題にはならないのですが、起き上がりや立ち上がりなどの基本動作に介助が必要な場合は、自分より大きい方だと大変になることが多いです。

 実際、患者さんの方も自分より小さい担当者だと、「本当に大丈夫?」と言われたり、不安な表情をされることがあります。そんな時は、「意外と力持ちなので大丈夫ですよ」や、「毎日していて慣れていますので大丈夫ですよ」などの声かけをして、出来るだけ患者さんに安心感を与えられるように心がけています。

 ただ、患者さんが転倒しないよう安全性確保が何よりも大切ですし、自分自身の体を壊さないためにも無理にならないためのコツを次に書いていきます。

移乗動作の図

体が小さくても無理にならないコツ

1.患者さんの状態を正確に把握する

 実際に動作に移る前に、患者さんの体の状態(痛みはないか、足の力はどのくらいあるか、感覚に問題はないかなど)を正確に把握することが重要です。状態が分かると、どのくらいの介助が必要かが予測できるため、1人で介助できる状態なのかが分かります。

2.自分ひとりでは無理は判断したら、決して無理をしない

 1で患者さんの体が大きかったり、介助量が大きいと判断したら無理をせず、他のスタッフに手伝いを頼みましょう。もしも無理をして患者さんを危険にさらしたり、転倒させてしまった場合、2度とその患者さんからの信頼は得られません。自分の能力を過信せず、出来ることと出来ないことの判断することが大切です。

3.患者さんにも介助者にも無理のない動作方法を学ぶ

 動作の方法を変えるだけで、介助量が格段に変わることがあります。一般的な正常の動作を学び、効率の良い(無駄な力を使わない)動作方法を知ることは大切です。また、動作方法は人それぞれ特徴があって、正常を知った上でその人に合った楽な動作方法を一緒に探していきます。患者さんの力を十分に発揮してもらえる動作方法で練習を行うことで、患者さん自身にメリットがありますし、介助量も少なくなって一石二鳥です。

4.自分なりの体の使い方を習得する

 「他の人のやり方をみて学ぶ」ということがありますが、体が大きい理学療法士と小さい理学療法士では介助方法が違う場合が多いです。見て学ぶ場合は、出来るだけ体格が自分に近くて介助が上手な人を手本にすることをおすすめします。はじめは思ったように出来なくて苦労すると思いますが、それは体が大きい人も同じです。経験を積む中で自分なりの体の使い方、効率のいい方法が必ずわかってきます。

体が小さくて良かったこと

 体が小さいことはデメリットばかりではありません。病院のベッドの周りはスペースが限られていることが多く(特に大部屋)、仕事中にその隙間に入らなければならない場面がありますが、小さければ隙間に入りやすいです。

 また、体が小さい患者さんの介助は、小さい理学療法士の方がしやすい場合があります。立ち上がり動作などで患者さんの下にもぐりこむ形で介助できるので、大きい人が上から抱え込むよりも少ない力で介助が可能です

 もう一つは、他のスタッフの手伝いを頼みやすいということです。明らかに自分より大きい方の介助をしようとしていると、自然と手伝っていただける場合が多いような気がします。忙しい看護師さんに自分から手伝いをお願いするのは気が引ける場合が多いので、これは本当にありがたいです。

他のリハビリ職種との違い

リハビリ協働の図

 リハビリの職業は3種類あります。理学療法士」、「作業療法士」、「言語聴覚士」です。

 仕事内容を大まかに説明すると、まず、理学療法士は患者さんの基本的な動作(例ベッドから起きて立つ、歩く、階段を昇るなど)の獲得を目指してリハビリを行います。

 対して作業療法士は、理学療法士よりも応用的な動作(例;文字を書く、靴下をはく、衣服を着脱する、お風呂に入る)の獲得を目指します。

 言語聴覚士は、言葉を話すことが困難になった方や、食べ物を飲み込むのが難しくなった方の機能回復を目指してリハビリをします。リハビリ職にはそれぞれ専門性があって、それぞれが連携して1人の患者さんに関わっていきます。

 仕事の内容を踏まえて、リハビリのどの職種で一番体の大きさが必要かと言われると、理学療法士ではないかと思います。

 その理由は、理学療法士のリハビリ目標は基本的な動作の獲得ということで、患者さんの体の状態をみて、起き上がれるのか、車いすに乗れるのか、歩行できるのかを判断します。そして、最初にそれぞれの動作にトライするのは理学療法士が多いです。そのため、どの動作においても、患者さんはまだ慣れていない状態で、どうしても介助する量は多くなります。理学療法士は、患者さんをしっかりと支えて基本動作を練習していく存在なので、大きさやパワーはある程度必要だと思います。

 ただこれまでにもお伝えした通り、工夫次第で小さくても理学療法士の仕事は可能ですので、どの職種に就くか悩んでいる方は、自分が就きたい職業と現実的な問題について総合的に判断して選択されることをおすすめします。

まとめ

  • 体が小さい人が理学療法士として仕事をする上で大変だと思うことや、無理をしないコツについてお伝えしました。他のリハビリ職との違いについてもお伝えしました。
  • 私と同じように体が小さい方で、理学療法士を目指したいけど心配な方、体が小さくて介助に苦労されているなどの参考になれば幸いです。
  • 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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