【転倒防止】高齢者の転倒原因、危険な場所とその対応について解説

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ぴんころ
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こんにちは、理学療法士のぴんころです。

この記事では、高齢者に多い「転倒」について詳しく解説しています。

予防対策についても記載していますので、ぜひ最後までご覧ください!

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転倒の原因

転倒の原因は、内的要因(個人の要因)外的要因(環境の要因)に大きく分けられます。

  • 内的要因:加齢による身体機能の低下、運動不足、病気や薬の影響 など
  • 外的要因:周りの環境の問題

加齢による身体機能の低下

年齢を重ねるにつれて、誰しも身体機能が衰えていきます

筋力、バランス能力、歩行能力反応速度、注意力、視力など様々な機能が衰えることで転倒しやすくなります。

本人は若いころと同じように動いているつもりでも、頭の中のイメージと実際の動作は違い、動作はゆっくりとなります。そのため、思わぬところで転倒することもあります。

運動不足

加齢による身体機能の低下に加えて、運動不足の状態が続くと、さらに転倒しやすくなります

運動不足は足腰の力を衰えさせるだけでなく、「体力の低下」「呼吸機能の低下」「他の病気の原因」ともなります。(参考:【ジッとしすぎは危険!】廃用症候群とは?)

気になる「足腰の力を簡単にチェックする方法」について、下記の記事で紹介していますので是非チェックしてみてください!

病気や薬の影響

転倒する原因には、病気や薬の影響も考えられます。

脳梗塞後遺症パーキンソン病、関節リウマチなど、足腰の動きに影響がでる疾患をお持ちの方は、必然的に転倒しやすくなります。

また、薬の作用・副作用によって、立ちくらみやふらつく症状が出たり、注意力が低下したりして、転倒しやすい状態になる場合があります。高齢者の場合、数多くの薬を服用されている方がおられますので、こちらにも注意が必要です。

環境の問題

転倒の外的要因としては、住宅環境をはじめとする「環境要因」があります。

玄関の段差、部屋の間の敷居、階段、滑りやすい床、浴室など、家の中には危険な箇所がたくさんあります。

屋外では、段差不整地雨の日の地面夜間の暗い道などに注意が必要でしょう。

転倒しやすい場所と環境

転倒発生が多い場所 

消費者庁・独立行政法人国民生活センターが医療機関ネットワーク事業を通じて行った調査によると、令和3年3月末までの6年間に発生した65歳以上の高齢者が転倒した事故情報は606件で、そのうち約半数の「299件」が住宅で発生していると報告しています。

出典:消費者庁「毎日が#転倒予防の日~できることから転倒予防の取り組みを行いましょう~」
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屋内での転倒発生がこんなにも多いんですね!

住宅内で注意すべき場所は?

では、「住宅内のどこで転倒が多く起こっているのか」ということですが、東京消防庁の令和元年度の調査によると、高齢者が住宅内で転倒した中で最も多かったのは「居室・寝室」でした。

2位は「玄関・勝手口」、3位は「廊下・縁側・通路」と続きますが、人数を比較すると1位の「居室・寝室」は圧倒的な多さです。

出典:東京消防庁「救急搬送データからみる高齢者の事故」
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過ごす時間が長い「居室」や、寝起きで移動することが多い「寝室」は特に注意が必要なんですね!

転倒発生時の状況は?

転倒発生時に状況としては、代表的なのは以下の3つです。

①滑る ②つまずく ③踏みはず

これらを防ぐには、歩く場所の状態を注意深く確認することが重要です。

特に段差などを踏みはずすことで起こる転倒は、大怪我につながることが多いため、特に注意してください。

転倒で起こる骨折

転倒によるケガで最も多いのが「骨折」です。

転倒による骨折の好発部位
  • 上腕骨近位部きんいぶ・・・肩の外側の部分
  • 橈骨とうこつ遠位部えんいぶ・・・手首
  • 脊椎・・・特に腰椎
  • 大腿骨近位部(頸部けいぶ転子部てんしぶ)・・・足の付け根の外側部分
転倒による骨折のイメージ図

高齢女性は、ホルモンの関係で「骨粗しょう症」になりやすいため、骨折には特に注意が必要です。

転倒による生活への影響

転倒により骨折してしまった場合、多くの場合数カ月にわたる入院やリハビリが必要となります。

実際にリハビリをしていて、患者さんからよく聞く言葉ですが、

患者Aさん
患者Aさん

転ぶ時は一瞬なのに、リハビリにはこんなに時間がかかるんですね。

というように、元通りの生活に戻るにはかなりの時間と労力がかかります。リハビリを長期間続けても痛みが残ったり、元のように歩けなくなったりする方も大勢おられます。また、転倒がきっかけで「寝たきり」になる方も少なくありません。

転倒しケガをすることで「生活の質」は確実に低下するため、転倒は予防することが一番です。

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では最後に、転倒防止の対策について見ていきましょう!

転倒防止の対策

住宅環境の整備 

まずは、すぐに取り組める「住宅環境の整備」に関しての一例です。

  • 部屋を整理整頓し、なるべく床に物を置かない
  • 家電のコード類が、移動する動線にかからないように配線する
  • 寝室や居室からトイレの動線に、「夜間の照明」や「手すり」を設置する
  • 屋内の段差(敷居、敷物など)を解消する
  • トイレや浴室、玄関に手すりを設置する

前述したように、住宅内で転倒しやすい「居室」と「寝室」であり、まずは部屋の中の環境を整備する必要があります。

また、一日を通して移動する回数が多い動線としては「居室⇔寝室」、「居室⇔トイレ」、「寝室⇔トイレ」ではないかと思います。そのため、これらの動線を安全に移動できるように、必要に応じて照明や手すりなどの環境を整えることが重要です。

転倒しない体づくり 

転倒を防止するには、環境整備だけではなく「転倒しない足腰の力」を維持することも非常に大切です。

近所を散歩したり、趣味の活動をしたりすることで「必要以上に家にこもならい」ようにしましょう。

運動習慣を作ることも大切ですが、人と会うことや、自分の役割を持つことで活動性が保たれ、自然と体の衰えを予防できると考えています。

自宅で行える体操としては、令和元年度の厚生労働科学研究補助金 労働安全衛生総合研究事業で制作された「転倒・腰痛予防!いきいき健康体操」があります。多くの専門家の意見や文献検索によって、効果のあるエクササイズになっているため、足腰の健康維持に役立つと思います。

ぴんころ
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自分に合った活動の仕方や運動を見つけて、足腰の力や柔軟性を保ち、転倒を防止しましょう!

転倒しにくい歩き方 

理学療法士として、もう一つお伝えしたいのは「歩行のポイント」です。

  • 歩行のときは適切な靴を選びましょう

  → 靴底が滑らないもの、重たすぎないもの、足首が安定するもの など

  • 足は「かかと」から着地しましょう

  → つま先が上がるため、つまずきによる転倒を防止できます

  • 歩幅を大きくとり、リズムよく歩きましょう

  → 歩幅を大きくすることで下肢・体幹の筋力を鍛える効果があります

  • 視線は下ではなく、数メートル前方を見るように歩きましょう

  → 前方を見ることで背筋が伸び、姿勢が悪くなるのを防げます

  • 適切な歩行補助具を使いましょう

  → 必要に応じて杖やシルバーカーなどの歩行補助具を用いて、安全に歩行しましょう

転倒防止についてのまとめ

  • 高齢者の転倒の原因や特徴、防止の対応についてまとめました。
  • 転倒場所としては、住宅内の「寝室」「居間」が最も多く、常日頃から転倒には注意が必要です。
  • 転倒防止のためには、「住宅環境の整備」「転倒しない体づくり」「歩行時の工夫」などを行いましょう。
  • 転んでから後悔しないために、「自分は大丈夫」と思わず、取り組むことが大切だと思います。
  • 最後までお読みいただきありがとうございました。

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