BP:血圧
「血圧」は、良く知られているため説明の必要はないかもしれませんが、心臓の収縮期と拡張期それぞれに動脈にかかる圧力を表しています。
一般的に、診察室血圧が140/90mmHg以上だと高血圧と診断されます。
日本の高血圧患者数は4300万人と推定され、そのうち3100万人が管理不良といわれています。
120/80mmHgを超えて血圧が高くなるほど、脳血管疾患、慢性腎臓病などの罹患リスクおよび死亡リスクが高くなります。
日本の食塩摂取量は諸外国と比較して依然として高く、食塩摂取量の摂取量を減らすことは国民の血圧水準を低下させるうえで重要です。
参考文献)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会 編:高血圧治療ガイドライン2019
HR:心拍数
「心拍数」は1分間に心臓から血液が拍出された回数を表しています。心臓そのものが1分間に鼓動した回数ですね。
心電図や聴診で確認することができます。安静時心拍数は、個人差はありますが一般に60-80拍/分程度です。
50拍/分を下回る状態を徐脈、100拍/分を上回る状態を頻脈(頻拍)といいます。
PR:脈拍数
「脈拍数」とは、心臓から拍出された血液が動脈を流れる時に起こる拍動を触知してた回数です。1分間に何回拍動を触知したかを測定します。
図のように橈骨動脈に指を当てて測定するのが一般的です。
その他脈拍を体表面から触知出来る動脈には、上腕動脈、総頸動脈、大腿動脈、膝窩動脈、後脛骨動脈、足背動脈、浅側頭動脈、尺骨動脈などがあります。
脈拍が正確計測しにくい場合、不整脈や血圧の低下が原因の可能性があるため、注意が必要です。脈拍のリズム、強さ、速さをチェックします。
SpO2:動脈血酸素飽和度
「SpO2」も良く知られていますが、図にあるパルスオキシメーターを使用して測定される「経皮的動脈血酸素飽和度」のことです
動脈血中のヘモグロビンが酸素とどのくらい結合しているかをパーセントで表示したものです。正常値は95%以上です。
通常95%を下回ると呼吸促拍や呼吸苦症状が現れる場合が多いですが、肺疾患などで慢性的にSpO2が低下している場合はSpO2が90%前後でも症状がない方が実際におられます。
また末梢循環障害により、手指に冷感やチアノーゼが出現している方では、パルスオキシメーターでの測定がしばしば困難な事があるので注意が必要です。
【おまけ】リハビリ中に気を付けること
バイタルサインは上記で示した以外に、体温や呼吸数などがあります。これらは客観的な指標で、リハビリを実施するうえで重要な評価項目です。各患者さんで正常時のバイタルは異なるため、個々の正常を把握して異常にいち早く気付けるようにしておくことが必要です。
また、客観的指標だけではなく、自覚症状もとても重要だということを忘れてはいけません。「前日と同じリハビリをしていても何だか辛そうだ」「表情がいつもと違う」「患者さんが『しんどい』と言われる」などの場合は、バイタルが正常でも注意を払う必要があります。
バイタルサインについてのまとめ
バイタルサインの基準値のまとめは、以下の通りです。
- 高血圧の基準値:140/90mmHg以上
- 心拍数の正常範囲:60-80拍/分
- SpO2の正常範囲:95%以上
☆他の循環器用語の検索は以下のページで可能です。ぜひ参考にしてみてください。
コメント