循環器の難読用語に挑戦|粥状硬化、奔馬調律…何個読めますか?

この記事は約4分で読めます。

循環器領域では難しい言葉が多くあり、読み方が分からないものも多いです。

そこで、筆者が難しいと思った用語をご紹介します。「全5問」で何問正解できるか、ぜひ挑戦してみてください!

Question
  • 第1問【粥状硬化】
  • 第2問【奔馬調律】
  • 第3問【冠攣縮】
  • 第4問【肺動脈楔入圧】
  • 第5問【疣贅】
ぴんころ
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スクロールすると「読み方」「言葉の意味」の解説が読めます!

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第1問【粥状硬化】 

Answer

粥状硬化=じゅくじょうこうか

ぴんころ
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「粥」「おかゆのイメージが強く「かゆじょうこうか」と読みがちですね。

粥状硬化とは、動脈壁に粥 (かゆ) 状の塊ができて内腔が狭くなる状態をいいます。

動脈の内壁に脂肪や脂肪酸、コレステロールなどが沈着し、最終的には石灰化や線維化を起こします。

粥状硬化は動脈硬化症の中で最も多い病型であり、アテローム性動脈硬化とも呼ばれます。

危険因子には脂質異常症、糖尿病、喫煙、家族歴、肥満、高血圧などが挙げられます。

第2問【奔馬調律】

Answer

奔馬調律=ほんばちょうりつ

奔馬ほんばとは、「勢いよく走る馬」あるいは「勢いがあることのたとえ」をいいます。

奔馬調律とは、心不全などが原因で心音の「Ⅰ音・Ⅱ音」のほかに、「Ⅲ音」や「Ⅳ音」が加わることで生じる、馬が駆けている時の足音のような特有のリズムを指しており、ギャロップリズム(gallop rhythm)とも呼ばれます。

ギャロップのイメージ図

「Ⅲ音」はⅡ音の後、拡張早期、心室の急速充満期に心尖部で聴取される心音です。正常でも聴取されることがありますが(生理的Ⅲ音)、「心不全」「左室の容量負荷」などで生じる可能性(病的Ⅲ音)もあります。

「Ⅳ音」は、前収縮期(拡張終期)に心尖部で聴取する心音で、心房が強く収縮し心室への流入が増加し心室筋が伸展して生じる、正常では聞こえない過剰心音です。病的心臓における診断的価値はⅢ音より大きく、Ⅳ音の原因としては肺高血圧症、大動脈弁狭窄症、虚血性心疾患、心筋炎、心筋症などが挙げられます。

第3問【冠攣縮】

Answer

冠攣縮=かんれんしゅく

冠攣縮とは、心臓表面を走行する冠動脈」が、何らかの原因で発作性に過剰に収縮することをいいます。

これにより冠動脈の狭窄をきたし、心筋への血流が減少して虚血を生じる狭心症が「冠攣縮性狭心症」です。

狭心症」について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

冠攣縮は通常、夜間や早朝の安静時に起こりやすく、冷水刺激などによっても引き起こされることがあると言われています。原因としては喫煙、飲酒、脂質異常症、ストレスなどが挙げられ、動脈硬化との関連性も示唆されています。また、欧米人と比較して日本人に多いことが知られています。

第4問【肺動脈楔入圧】

Answer

肺動脈楔入圧=はいどうみゃくせつにゅうあつ

肺動脈楔入圧は「PAWP(pulmonary artery wedge pressure)」とも呼ばれ、左房圧および左室拡張末期圧を反映する指標です。

右心カテーテル(スワンガンツカテーテル)によって測定されます。

肺動脈楔入圧の基準値は「5~13mmHg」で、上昇する原因としては「左房への流入血流量の増加」「左室の収縮力低下」が考えられます。また、低下する原因としては「循環血液量の低下」などが挙げられます。

第5問【疣贅】

Answer

疣贅=ゆうぜい

疣贅とは、ヒトパピローマウイルスの感染によって引き起こされる皮膚の一部が盛り上がった「小さなできもの」、一般的には「いぼ」と呼ばれるものです。循環器領域では感染性心内膜炎の方で「疣贅」という言葉をよく目にします。

感染性心内膜炎とは、心内膜に生じる感染症で、主に心臓弁に感染が及び弁破壊と弁膜症を起こす疾患です。感染性心内膜炎の多くの症例で、心臓の弁や心臓の中に細菌の塊である「疣贅」が確認されます。心臓の疣贅は、心臓超音波検査(心エコー)で診断されます。

まとめ

ぴんころ
ぴんころ

いかがだったでしょうか?私は心臓の勉強をし始めたころ、一つも正しく読めませんでした(笑)

普段見慣れない言葉ばかりで難しいですよね!

この記事が一人でも多くの方の参考になり、心臓の勉強をしてみようと思うきっかけになると幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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