【心リハ指導士を目指そう】症例から学ぶ~心不全の重症度分類~

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ぴんころ
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こんにちは、心臓リハビリテーション指導士ぴんころです。

心疾患について学びたい方へ、問題を作成しました。

今回のテーマは『心不全の重症度分類』についてです。

症例を通して重症度分類についての理解を深めましょう。ぜひ、挑戦してみてください!

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症例紹介(※架空の症例です)

【年齢・性別】80代、男性

【現病歴】1週間前ごろから労作時呼吸苦を自覚していたが、様子を見ていた。入院当日は安静時から呼吸苦症状があり、夜間呼吸苦症状増悪を呈し救急搬送となった。

【入院時所見】

意識レベル:清明、会話可能

バイタル:血圧170/82㎜Hg、脈拍102回/分、SpO2 95%(オープンフェイスマスクにて酸素5L投与中)、呼吸数22回/分

血液所見:BNP768pg/ml、心電図:洞調律

心エコー:EF65%、壁運動異常なし

胸部X線:心拡大、肺うっ血所見あり、butterfly shadowあり

視診:頚静脈怒張なし、聴診:全肺野の約40%でラ音聴取

触診:両下腿浮腫(軽度)、四肢冷感なし

【既往歴】高血圧、糖尿病、脂質異常症

【治療】酸素投与、ハンプ、フロセミド投与中

Q1.この症例のクリニカルシナリオ分類は?

クリニカルシナリオ(CS)分類とは、血圧を参考とした病態による分類で急性心不全の初期対応のために提唱されました。 この症例の入院時の収縮期血圧は170㎜Hgであり、CS1の急性肺水腫の状態です。CS1心不全に対しては、呼吸管理と肺うっ血解除を目的に血管拡張による治療が行われます。体液貯留がある場合は利尿薬も投与されます。

Q2.この症例のNYHA分類は?

NYHA分類とは、はニューヨーク心臓協会(New York Heart Association)が作成し,身体活動による自覚症状の程度により心疾患の重症度を分類したもので,心不全における重症度分類として広く用いられています。 この症例は夜間呼吸苦症状で入院され、安静時でも呼吸苦の症状がでている状態でした。そのため、答えはNYHA分類Ⅳ度となります。 NYHA分類の簡単な覚え方は、Ⅰ度は無症状、Ⅱ度は階段や坂道で息切れ、Ⅲ度は平地歩行で息切れ、Ⅳ度は安静時でも息切れです。そのため入院の患者さんは、NYHAⅢ~Ⅳ度の場合がほとんどです。4つの段階をイメージで一気に覚えましょう。

Q3.この症例のkillip(キリップ)分類は?

killip分類とは、聴診による心機能障害の重症度評価です。元は急性心筋梗塞の重症度分類として提唱されましたが、急性心不全に用いられることもあります。 Ⅰ~Ⅳ群に分けられ、Ⅳ群がもっとも重症です。 この症例は全肺野の40%でラ音を聴取ということなので、killip分類Ⅱ群となります。

Q4.この症例のNohria stevenson分類は?

Nohria stevenson(ノーリア・スティーブンソン)分類とは、末梢循環や肺聴診所見などの身体所見に基づいて、心不全の病態を簡便に評価する方法で、Profile A/B/L/Cの4つに分類されます。 この症例は胸部X線にて肺うっ血所見があり、聴診でラ音を聴取、下肢に軽度浮腫があることからうっ血所見ありの『wet』。触診で末梢冷感はなく、その他の低灌流所見もないため、低灌流所見なしの『warm』の状態であると分かります。そのため『wet&warm』のProfile Bとなります。

まとめ

  • 症例を通して、心不全の急性期で用いられる重症度分類の1問1答を作成しました。
  • 実際の現場でよく使用される評価方法で、これが理解できれば患者さんの病態や重症度が分かりやすくなります。
  • 病態を把握することで、患者さんに今後どのような治療が行われるかも予測することができるという点でも有用です。
  • 急性期病院で心不全患者さんと関わる医療従事者のかたは、ぜひ実際に使用してみてください。
  • 最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献
1)日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン:急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
2)全部見えるスーパービジュアル循環器疾患.成美堂出版.2017
3)三浦稚郁子編:フィジカルアセスメント徹底ガイド循環.中山出版.2011

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