こんにちは、ぴんころです。私は急性期病院で理学療法士をしており、家庭では2児の母でもあります。
仕事では主に心臓リハビリテーションを担当しており、2019年に「心臓リハビリテーション指導士」という資格を取得しました。子供が小2(長女)と年長(長男)の時に取得したので、仕事と家庭、さらに勉強ということで大変な毎日でした。
家族の協力のおかげで資格取得できたのですが、今回は試験までの道のりと資格取得の経緯についてお伝えしようと思います。
これから心臓リハビリテーション指導士の資格を取りたい方はもちろん、
育児をしながら資格の取得を考えている方に読んでいただきたい内容です。
心臓リハビリテーション指導士とは
まずは「心臓リハビリテーション指導士」という資格について簡単に説明します。
心臓リハビリは単に運動療法のみを行っていれば事足りるものではなく、食事療法や禁煙指導を含めた包括的リハビリを目指すべきであり、そのためには、医療専門職間の連携や共同作業(チーム医療)が必要となります。
また、チームが円滑に機能するためには、心臓リハビリに関する共通認識と知識や用語の共有化、定期的なカンファレンスやミーティングなども行う必要があります。このような状況の中、日本心臓リハビリテーション学会は、心臓リハビリテーション指導士の認定制度を2000年に発足させました。
心臓リハビリ指導士は、包括的心臓リハビリを通じて循環器疾患の治療ならびに再発予防とQOL向上に貢献できます。
引用:心臓リハビリテーション学会HP,「心リハ指導士とは?」より
上記にある通り、「心臓リハビリテーション指導士」とは、日本心臓リハビリテーション学会が認定する資格で、あらゆる心疾患をもった患者さんに多職種で包括的なリハビリを提供するためにつくられました。2020年2月28日時点で、全国の指導士の数は計5,815名です。
心臓リハビリテーション指導士になるには
心臓リハビリテーション指導士試験を新規で受験するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 「医師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技士、臨床心理士、作業療法士、健康運動指導士、公認心理師」の11職種の資格のいずれか1つ以上を有していること。
- 受験申請時までに2年以上継続して心臓リハビリテーション学会の会員であること
- 心臓リハビリテーション指導の実地経験が1年以上あること、または心臓リハビリテーション研修制度により受験資格認定証の交付を受けていること。
- 10の症例レポート作成
- 指定の講習会への参加
医師をはじめとした様々な医療職が受験することができる資格で、第20回心臓リハビリテーション指導士認定試験受験者の職種の内訳は、医師155名、看護師112名、理学療法士613名、臨床検査技師16名、管理栄養士4名、薬剤師5名、作業療法士31名、健康運動指導士12名でした。
心臓リハビリテーション指導士になるための準備としては、遅くとも試験を受ける年の2年前から心臓リハビリテーション学会に入会することと、勤務先で心臓リハビリテーション業務に携わることです。
すでに心臓リハビリテーションを実施されている施設で資格を取得する場合は、自施設内での業務経験で問題ないと思いますが、そうでない場合は心臓リハビリテーション研修制度の利用をおすすめします。その理由は、10の症例レポート作成には様々な専門的な知識を必要とされるため、経験が浅い場合は書くのにとても苦労するからです。また、実際私もそうでしたが、本格的な心臓リハビリテーションの現場を知らないままでは、そもそも何を勉強すればいいかも分からないと思います。
研修制度は、希望者が認定を受けた研修施設(29施設)の中から研修希望先を選択します。希望と研修先の条件がマッチすれば、設備の整った病院で質の高い研修を受けることができます。私はこの研修制度を利用して、心臓リハビリテーションについての興味が広がり、非常に多くの知識を得ることができました。また、研修内で10の症例レポートを作成し、担当の先生から指導をいただいたので、受験申請時に不安なく提出することができました。
資格を取得しようと思った経緯
つぎに、私が心臓リハビリテーション指導士の資格を取得しようとした理由についてです。
就職して3年目に結婚、その後2人の子供を出産して育児休業をとりました。育児休業明けも時間短縮勤務で復帰したので、なんとなく「自分は同世代の人たちよりどんどん遅れているな」という気持ちがずっとどこかにありました。仕事をしていても、就職して何年も経つはずなのに自分に自信が持てずにいました。
私の務める病院は総合病院のため、整形外科疾患から脳血管疾患まで様々な患者さんのリハビリを行うのですが、自分に自信が持てない原因は「得意分野がない」ということだと気づきました。それまで、自分なりに少しは勉強していたので、どの疾患もそれなりにリハビリすることは出来るのですが、「この分野は他の人に負けない」とか「ここは人に教えられる」ということがありませんでした。
その当時の同僚の中に、それまであまり馴染みのなかった「心臓リハビリ」に詳しい人がいました。はじめは、「心臓が悪い人にどうやってリハビリをするのかな」、「リハビリ中に何かあったらこわい」という思いが強く、難しそうという苦手意識がありました。
自分が担当する患者さんの中で、心疾患があってどのようにリハビリをすればいいか困り、その同僚に相談したことがありました。そのことがきっかけで、心臓リハビリのことを色々と教えてもらうようになり、次第に興味がわきました。”心臓が悪い”というだけで漠然とした恐怖心があったのですが、知識を得ていくうちに、「しっかりと病気のことを理解してリハビリを行えば、そんなに恐れることはない」ということが分かってきました。
そして、もっと勉強して知識を増やして、自信をもって心疾患をもつ患者さんにリハビリを提供したいと思うようになりました。その当時、勤務先の病院ではこれから心臓リハビリを立ち上げようという時期だったので、わたしもその一員になれるように頑張ろうと思いました。得意分野をつくり、自分の居場所のようなものを作りたかったという思いもありました。
そして始まる、資格取得までの道のり
ここから、心臓リハビリテーション指導士になるための道のりが始まりました。ここまでで話が長くなってしまったで、この続きは【心臓リハビリテーション指導士編~その2~】でお伝えします。指導士になるための勉強法や、研修をどう乗り切ったかなどについて書いています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント