【行動変容】ステージに応じた生活指導について

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ぴんころ
ぴんころ

こんにちは、理学療法士のぴんころです。今回は「行動変容」をテーマにお話します。

患者さんの生活指導、禁煙指導などでお困りの方に読んでいただきたい内容です。

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行動変容とは

行動変容とは、「人が行動を変えること」です。具体例としては、①禁煙をする②糖尿病などの生活習慣病になりウォーキングや食生活改善をする③高血圧になり減塩を意識した食生活をするなどが挙げられます。

私たち医療従事者は、患者さんに対して生活習慣の改善をすすめる機会が多くあります。ただ、それを退院後も実行してもらえる確率は非常に低いと感じます。理想的な生活習慣を伝えるのは簡単ですが、それを実行し行動に移す、さらに継続するということは実際とても大変な事です。

行動変容には以下で説明する「行動変容のステージ」というものがあり、各ステージに合わせた働きかけをすることが重要となります。患者さんとコミュニケーションをとる中で、状況を把握してその方に合った方法を考えながら介入します

行動変容のステージについて

行動変容には上記の5つのステージがあります。ここからは「各ステージの特徴」「ステージごとの働きかけの方法」について糖尿病患者さんを例にお伝えします。

ステージ1:無関心期

この時期は「行動を変えることに興味がない」時期です。この時期の方はこんな発言が多いです。

Aさん
Aさん

お医者さんに糖尿病って言われたけど、食べることが唯一の楽しみなの。

私の楽しみをとらないで。

Bさん
Bさん

僕は太く短く生きたいから、自分の好きにするよ。大丈夫!

無関心期の方に、「こんな運動をしたらいいですよ」「食べ物はこういう物にしましょう」など、通り一遍の指導をしても効果はあまり期待できませんし、場合によっては嫌われてしまいます。

この時期の方には「気づきをうながす」というスタンスで接しましょう。

先を急がず、まずは健康に関して考えるきっかけを作る、このままの生活を続けるとどうなるかを知り「このままではまずい」と理解してもらうことから始めます。

また、周囲への影響援助者の存在についても伝え、行動を変えることによるメリットなども伝えていくといいとされています。

ステージ2:関心期

この時期は、行動を変えることに少し関心が出てきて「行動を変えようか迷っている時期」です。

Cさん
Cさん

甘いものを控えた方が良いとは分かってるけど、孫におやつをすすめられると一緒に食べてしまうよ。

Dさん
Dさん

私の場合、甘いものを我慢するとストレスで反対にやけ食いしてしまいそうだわ。

上記のような言い訳にもとれる発言が多いのが特徴で、行動変容の必要性は理解しているものの、「多分上手くいかないだろう」という気持ちが勝っている状態といえます。

この関心期の方への働きかけとしては、「さりげなく行動変化の提案をする」ということです。例えば「○○という方法でうまくいっている人もいます。」などの間接的な言い方です。「~しましょう」という押し付け型の提案ではなく、さりげない提案にとどめることが大切です。

また、行動の変化が自分の利益になることを認識してもらい、行動が変えられた自分をポジティブにイメージ出来るようになると、より効果的です。

ステージ3:準備期

この時期は、「行動を変える計画を立てたり、準備をしている」段階です。

準備期の方への働きかけは、行動プランを具体化するような問いかけや、「これなら出来そうだ」と思える目標設定を行うことが有効です。この段階では継続する自信がない方が多いので、褒めたり認めたりすることで自信を持ってもらうことも重要です。

Eさん
Eさん

僕は今日から毎日、5000歩以上歩くようにします!

まずは無理をせず、出来そうな5000歩から始めてみますね。

このように、周囲の方へ宣言することも効果的です。

健康行動を起こすには

「①何をどうしたらいいか明らか」で 、「②そうすることが自分に大切と分かって」、「③それによる良い結果が期待でき」「④さほどの苦痛や労力を払わずに」「⑤何とか出来そうと思う

という5つのポイントがあります。ポイントを押さえて患者さんに接しましょう。

ステージ4:実行期 、ステージ5:維持期

この時期は「実際に行動に変え始め、それを継続して習慣化していく」段階です。

ご自身の経験でもお気づきかと思いますが、実行に移してから継続するというのが最も大変です。はじめはやる気になって頑張るのですが、三日坊主で続かないという人も少なくないのではないでしょうか。私もそのうちの一人です。

継続を助けるポイントの1つ目は「褒めること」です。頑張っていることを認めてもらい、褒めてもらえたら誰でもうれしいものです。自分で自分をほめたり、ちょっとしたご褒美を設けるのもいい方法です。

2つ目は「周囲のサポート」です。自分で決心を固めていても、周りの方の理解や協力がなければ継続出来ないこともあります。食生活の改善などがこれにあたるのではないでしょうか。準備期でおすすめした「周囲への宣言」はサポートを受けやすい環境作りの近道かもしれません。

3つ目のポイントは、私が日頃から思っていることですが、「行動を変えたことによる効果を実感することです。

何事もある程度の成果が出なければ、継続は難しいと思います。ダイエットでは体重など分かりやすい指標があるのでいいですが、生活習慣病に関しては、自分では効果を感じにくい面があります。そのため、医療従事者は患者さんに分かりやすい表現具体的かつポジティブに、行動変容の成果についてお伝えすることが重要だと思っています。

まとめ

  • 行動変容のステージモデルについてお伝えしました。
  • 各時期に応じた働きかけをすることで、行動変容をする手助けにつながります
  • 「あの人の言うことを聞いて、あの時生活を見直して正解だった」と言われるような、患者さん個人に合った生活指導ができれば最高だと思います。
  • この記事がどなたかの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献
1)足立淑子:保健指導・行動変容支援ガイド(第2版).医歯薬出版株式会社.2020.
2)石川ひろの:ヘルスコミュニケーション学入門.大修館書店.2020.
3)横山啓太郎:本気で生活習慣病を改善するための行動変容アプローチ.クリニコ出版.2019.

↑この本には事例がたくさん載っていて、具体的で一番分かりやすかったです。

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