心電図とは|検査の目的と種類、結果から分かることを詳しく解説

この記事は約5分で読めます。

心電図検査は、誰でも一度は健康診断で受けたことがある検査だと思います。

でも、心電図検査で何が分かるのかどんな種類があるのかを知っている方は少ないのではないでしょうか。

この記事では、心電図検査の概要結果から分かること検査にかかる費用などを詳しくわかりやすくお伝えします。

これから心電図検査を受ける方や、循環器の病気に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

ぴんころ
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この記事を読んで、心電図検査に詳しくなりましょう!

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心電図検査の目的

まず、心電図検査を行う主な目的は、大きく以下の2つが挙げられます。

  • 不整脈の有無を調べること
  • 虚血性心疾患の有無を調べること

不整脈とは、その名の通り「脈が不整になる」ことで、言い換えれば「心臓のリズムが一定にならない状態」をいいます。

虚血性心疾患とは、心臓の周りを走行する血管が詰まったり、細くなったりして起こる「心筋梗塞」「狭心症」を指します。

心電図検査は、比較的短時間で行え、痛みも伴わない検査であるにも関わらず、このような大切な情報を知ることができるため、長年にわたり有用とされている検査の一つとなっています。

心電図検査(12誘導心電図)の方法

心電図検査は、図のようにベッドに横になり、両手首・足首の4ヵ所と、胸に6ヵ所の電極をつけて行います。

検査全体の所要時間は約5分で、その中で心電図を記録する時間は20~30秒程度です。

心電図検査のイメージ図

心電図検査では、心臓が収縮を繰り返すときに発する電気刺激を波形として記録し、同時に心拍数の測定も行います。

検査結果は12種類の波形で記録されます。

体に多くの電極を付けて、12種類もの波形を記録する理由は、心臓を流れる電気興奮を多方向から確認し、全体の状態をしっかりと把握するたです。

心電図検査の種類

一般的な心電図検査といえば、上述のような「12誘導心電図」と呼ばれる検査ですが、その他にも種類があります。

この記事では以下の3種類を解説します。

  • モニター心電図:入院中に継続して装着する簡易的な心電図検査
  • ホルター心電図:24時間生活しながら行う心電図検査
  • 運動負荷心電図運動したときの心電図変化を観察する検査
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3種類の心電図検査について詳しく見ていきましょう!

モニター心電図

モニター心電図は、主に病院に入院中の患者さんに使用されます。

検査機器は、下図のように胸の3ヵ所に電極をつけ、小さな測定器(送信機)とつながる構造です。

モニター心電図のイメージ図

測定された心電図波形は、医療スタッフが集まるナースステーションなどに設置されている表示モニタ(受信機)」でリアルタイムに表示されます。

モニター心電図では、心拍数の変化や不整脈の出現などをいち早く発見することができため、心疾患や呼吸器疾患、その他急変の恐れがあるすべての方に対して用いられます。

モニター心電図で異常を発見するイメージ図

モニター心電図は

  • 長時間にわたる連続的な心電図の記録が可能
  • 心臓を一方向から観察する検査方法のため、虚血性心疾患の発見には不向き
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12誘導心電図は「その瞬間の心臓の様子を多角的に調べる」のに対して、モニター心電図は「心臓の様子を長時間そっと見守っている」というイメージですね。

ホルター心電図(24時間心電図)

ホルター心電図は、24時間生活しながら行う心電図検査です。

こちらも長時間の心電図検査ですが、入院はせず普段と同様の生活をしながら検査するというのがモニター心電図との違いです。

ホルター心電図の検査方法

検査方法は、下図のように胸の5ヵ所に電極をつけ、小型の心拍を記録する装置を24時間身につけます

この検査中は通常通りの生活をし、その日の様子を「行動記録表」に記入します。

動悸や胸痛などの自覚症状が出た場合も同様に記録します。

検査終了後、装置を病院に返却し、記録した心電図は後日解析され検査結果がでます。

ホルター心電図のイメージ図

ホルター心電図で分かること

この検査をすることで、一日を通して心臓がどのくらい拍動しているか、不整脈がどのくらいの頻度で起こっているかを知ることが出来ます。

長時間にわたり心電図を記録することで、症状があったときに心電図がどのようになっているかを知れることも利点です。

例えば、胸の痛みや動悸の自覚はあるものの、病院で心電図をとると異常が無かった場合などは、ホルター心電図で異常が発見される場合があります。

運動負荷心電図

運動負荷心電図は、運動によって心臓に負荷をかけ、その時の心電図変化を記録する検査です。

安静時では発見できない心疾患の診断や、運動耐容能の評価治療効果の判定などに役立ちます。

運動負荷の方法は以下の3種類です。

  • 階段昇降(マスター法)2段ある階段を連続して昇降し、検査前後で心電図を記録
  • トレッドミル法ルームランナーのような機械上で歩行しながら心電図を記録
  • エルゴメーター法固定式の自転車をこぎながら心電図を記録
トレッドミル運動負荷試験のイメージ図

安静時には認められない不整脈や狭心症・心筋梗塞などの診断が可能な一方で、負荷量によっては危険な状態に陥るリスクがあるため、専門医の指示のもと慎重に検査が行われます。

心電図検査にかかる費用

最後に、心電図検査に関わる費用の目安です。

検査を受けられる病院によって費用は異なるため、参考程度にご覧ください。

3割負担での費用(目安)
通常の心電図(12誘導心電図)1,000
ホルター心電図5,000
運動負荷(マスター運動負荷1,000
運動負荷(エルゴメーター負荷5,000

心電図検査についてのまとめ

  • 心電図検査の種類や目的、検査方法について詳しく解説しました。
  • 心電図は身近な検査の一つですが、何を調べている検査なのかを知ることで、検査の意味をより理解できると思います。
  • この記事の内容が一つでも参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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